2006年 12月 18日
団塊世代どう生かす?
まだまだ働き盛りの団塊の世代が一斉に定年を迎えて退職する“二〇〇七年問題”。来年春ごろから退職者の増加が顕在化し、労働力不足や退職金の負担増など深刻な問題を引き起こすとされながら、大半の自治体で具体的な対策が進んでいないのが実情だ。団塊の世代を地域にどう迎えるか。一方では、地域活性化に結びつけるチャンスととらえた模索も始まっている。 (林容史)
一九四七-四九年生まれの団塊の世代は、全国で約七百万人、人口の5%を占めるとされる。このうち労働力人口は約五百四十万人に上る。
県内の労働力人口をみると、来年六十歳を迎える四七年生まれが八万五千六百十九人、四八年生まれが八万七千百九十三人、四九年生まれは八万七千五百六十八人。
この世代が二〇〇七-一二年ごろにかけて大量に退職することで、(1)労働力が不足する(2)中小企業を中心に技術の継承が途絶える(3)退職金の支払いで企業の体力が奪われる-などの問題が指摘されている。一気に高齢化が進むことで、医療費や年金などの負担増も懸念されている。
■財政圧迫の退職金
自治体の退職金問題は既に表面化している。県は、本年度に必要な退職金総額を四百六十七億円と見込んだが、当初予算で計上できたのは二百八十七億円にとどまり、残り百八十億円は財源不足で留保した。九月補正後もまだ百億円の不足があり、今後、費用を工面する必要がある。
一方で、二〇〇七年問題を機に、勧奨退職者の退職金に使い道が限られていた「退職手当債」が、国の制度変更で、〇六年度から十年間に限って定年退職者の退職金にも充当できるようになった。だが、借金となる退職手当債に安易に手を出せば、さらなる財政圧迫を招くのは明らかだ。
退職金の支払額は、ピークの一五年度には約七百五十億円にも膨らむ見込み。これは〇五年度の実に三・八倍。
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県は「二〇〇七年アクションプラン」案の中で二〇〇七年問題の対策を示している。
これによると、担い手不足が深刻な農林水産業で働いてもらおうと、就農希望者登録制度や弟子入り制度などを創設、就農アドバイザーなども置く。「ちば仕事プラザ」(千葉市美浜区)では、再就職相談や企業と求職者との交流会を実施するほか、求職登録システムも新設する予定だ。
■人生経験を高評価
今年八月、県内の特定非営利活動法人(NPO法人)や任意団体を対象に受け入れの意向を調査した。回答を寄せた四百四十八団体の68%が五十歳以上の人材受け入れを考えていると回答、団塊の世代の人生経験や知識、意欲などを高くかっていることが分かった。
自治体に対する調査では、県内十一市町村が地域活動への参加を支援する施策を展開、十五市町村が施策を検討中という。
かつて埋め立て地の宅地開発に伴い、多くの団塊の世代が転入した浦安市。六十歳の人口は〇五年の約千三百人に比べて〇七年には約二千五百人にはね上がる。
同市は今月、団塊の世代三千人を対象にアンケートを行い、地域活動への参加意欲や興味のある活動などを調べている。〇七年度には、市民や有識者を交えて検討会議を組織、モデル事業を練って〇八年度から実行に移したい考えだ。
同市企画政策課は「一生懸命働いて身につけた知識と能力を、どう地域で生かしてもらえるか。まさに財産をどう生かすかという問題」と、こうした取り組みを重要視している。

